人工素材を使って楽で安全な庭を楽しもう

つくる

はじめに

「石をたてん事、まづ大旨をこゝろふべき也」

このような書き出しから始まる日本最古の庭園書である『作庭記』は、平安時代の作庭に関する基本的な作法がまとめられたものです。

「山や海などの自然景観を思い起こし参考にする」「過去の優れた作例を模範としながら、家主の意趣を配慮しつつ自らのデザイン感覚で仕上げる」など、描かれている理念は現代の庭づくりでも参考とされています。

日本庭園は石、水、木、竹などの自然素材を上手に取り入れ、自然景観を再現していました。

しかし、現代では自然素材が持つ問題点を解決するため、様々な素材が開発されています。

庭に新たな素材を取り込むことで、管理が楽になり、安全性も向上することができます。

そこで今回は、庭に関する材料について考えてみたいと思います。

どんな素材?

ぱーまん
ぱーまん

庭で使用されている自然素材は、以下が主な素材となります。

木材、竹材などは囲いやウッドデッキ、ベンチなどに使用されています。

芝生は舗装材として、石材は舗装や土止め、灯籠などで使われています。

ぱーまん
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また、庭に取り入れられる人口素材は、主に以下の素材が使用されています。

コンクリートやレンガは土止め、囲い

アルミや鋳鉄性のフェンス

木粉とプラスチック材の混合木材はウッドデッキやベンチなどで利用されています。

自然素材と人工素材の違いは?

自然素材と人口素材の材料の違いは大きく以下が考えられます。

自然素材の特徴

材質自然素材人工素材
質感優れている劣る
初期費用安い高い
経年変化変化、劣化しやすい変化、劣化しにくい
強度・耐久性耐久性が低い   
腐る可能性がある
虫が発生する
耐久性が高い     
メンテナンス性こまめな管理が必要管理の必要性が少ない
メンテナンスコスト高い安い
気象条件温度変化に強い温度変化に弱い
仕上がり材料により異なる均一な仕上がり

自然素材の特徴は以下が考えられます。

  • 耐久性の低い素材
  • 虫や病気が発生する
  • 変化を安価に楽しめる
  • 温度変化に強い
  • 材料により異なる仕上がり
ぱーまん
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下に詳しく解説します

耐久性の低い素材

庭に使用される垣根や支柱は、丸太杭や竹材など自然素材の材料が多く用いられています。

そのため、時間が経つにつれ老朽化し、使用した材料は腐食し、ボロボロになってしまいます。

そのため、定期的な交換やメンテナンスが必要となり、その都度、時間と費用がかかってしまいます。

虫や病気が発生する

樹木には葉や花、樹皮を求めて虫が集まりやすく、また、樹種や生育条件によっては病気が発生しやすい状況になってしまう可能性があります。

また、樹木以外にも木材の腐食部が病虫害の発生源となり、定期的な注意観察が必要となります。

変化を安価に楽しめる

自然素材の材料は、比較的安価に入手することが可能です。

また、素材は劣化しやすいというデメリットはありますが、言い換えれば、時間と共に変わりゆく姿を楽しむことができるとも言えます。

時間とともに変わってゆく中で、寂れていく美しさから、内面的な豊かさを感じ取れるのではないでしょうか。

ぱーまん
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侘び寂びですね

温度変化に強い

夏の暑さ、冬の寒さに対して大きな影響を受けにくく、材料の変形なども起きにくい特徴があります。

材料により異なる仕上がり

自然素材の材料は素材同士で表情が異なるため、材質が同じでも仕上がりは異なります。

画一化された仕上げとはなりませんが、その時その場所だけのオリジナルの仕上がりを楽しむことができます。

ぱーまん
ぱーまん

唯一無二 オリジナルの作品になる!

人工素材の特徴

人口素材の特徴は以下が考えられます。

  • 耐久性が高い素材
  • 虫や病気が発生しにくい
  • 初期費用が高額となり、変化しにくい
  • 温度変化に弱い
ぱーまん
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下に詳しく解説します

耐久性が高い素材

人口素材の多くは自然素材に比べ耐久性に優れ、劣化しにくい特徴があります。

そのため、メンテナンスの必要性も少なく、自然素材の活用に比べ、時間も費用も抑えることができます。

ぱーまん
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交換する頻度も減るし、メンテナンスの手間も減る!

最大の利点ですね!

虫や病気が発生しにくい

コンクリートやアルミ素材などに虫は寄りつかないため、人口素材にすることで虫や病気の発生の要因を減らすことができます。

初期費用が高額となり、変化しない

自然素材に比べ、人口素材の材料は高価となるため、初期費用は高くなります

また、耐久性が高いため、時間が経っても姿形が変化しにくくなります。

それは、自然の中で変わってゆく美しさを感じにくくなとも言えます。

温度変化に弱い

樹脂系の素材は温度の影響を強く受けます

ウッドデッキや人工芝など、高温になると膨張、低温になると収縮する特徴があリます。

そのため、製品によってはひび割れやズレが発生してしまうかもしれません。

また、材料にもよりますが、ウッドデッキや人工芝など、夏の強い日差しを浴びると材料自体も手で触れられなくなるほど表面温度が高くなります。

家族で楽しむためにウッドデッキや人工芝を作ったのに熱くて利用できない、となっては非常にもったいないで話です。

使用する材料の性質を理解することがとても大切になります。

ぱーまん
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人工素材の大きな難点なので、取り入れる素材の特徴を正しく理解しましょう。

また、メーカーさんも商品の課題解決のため開発に取り組んでいると思います。素材が持つ問題を解決する新しい技術を期待しています!

人工素材を取り入れてみよう

庭を楽に安全に楽しむために、以下の素材を検討してみてはいかがでしょうか。

自然素材ウッドデッキ→樹脂製ウッドデッキ

ウッドデッキとは、屋外に作られた木製テラスです。

家の高さと合わせれば、リビングから屋外へのアプローチとしての利便性も高まり、古い家にあった縁側のような利用や、ホームパーティーとしてのスペースなど、屋外での幅広い利用が可能となるスペースになります。

天然木でも作られていますが、定期的な塗装や防腐処理が必要となり、痛んでしまえば作り直しになります。

お子さんやご老人が腐っている板に足で踏み抜いてしまい、大怪我になってしまう可能性もあります。

プラスチックと木粉を混ぜ合わせて成型した樹脂製の人口木材を使用すれば、腐る心配もなく、シロアリなどの害虫が発生するリスクも無くなります

芝生→人工芝

芝生から人工芝に切り替えることで、芝刈りや雑草対策など管理する手間が削減できます。

また、芝生を刈った際に発生するゴミも発生もなく、日が当たらず芝生が枯れてしまう不安もありません。

また、害虫が発生する可能性も減るため、お子様にも安心です。

竹垣、生垣→樹脂フェンス 枕木

茶庭や敷地の仕切りなどに用いられる竹垣や木材や樹木を用いて設置される垣根は、庭に自然に溶け込み、時が経ち変化し、寂れていく姿も美しく、趣があります。

しかし、竹材や木材の耐久年数は5〜10年程度となるため、定期的な交換が必要となります。

また、生垣は定期的な剪定が必要となり、年々肥大化すると、長い脚立や高枝バサミが必要となるため、ボリュームに合わせて新たな道具や剪定技術が必要となります。

また、腐朽した状態で強風に見舞われ、周囲の住宅に飛散してしまう可能性もあります。

垣根を樹脂フェンス等に取り替えることにより、耐久性が向上し、安全な住環境を作り出すことができます。

枕木材→アルミやCON製の枕木

枕木材は鉄道の線路に使われていた材料で、枕木の上にレールが乗り、そのレールを鉄道が走っています。

腐り防止のため、クレオソートという防腐処理がされています。

また、鉄道の部材としてだけでなく、敷地の敷地を囲うためのフェンスやとして利用したり、舗装のアクセントとしての利用や、花壇の縁取りなど、庭などにも幅広く利用されています。

しかし、防腐処理が施されているとはいえ、土や地面に直接触れている部分は腐りやすいです。

現在では多様な素材から枕木風の材料が作られており、アルミ製枕木やコンクリート製、FRPから作られている資材もあります。

これらの資材での庭づくりも検討してみてはいかがでしょうか

終わりに

今回は「人工素材を使って楽で安全な庭を楽しもう」と題して、自然素材から人口素材を活用した庭づくりについてご紹介しました。

しかし、大切なことはバランスです。

人口的に作られた空間に囲まれて過ごす現代社会の中で、庭の空間は限られたプライベートな自然空間になります。

自然素材と人口素材を庭の中でバランスよくデザインすることで、快適な空間となるのではないでしょうか。

以上ご覧いただきありがとうございました。

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